東京都杉並区の不燃ごみ圧縮施設「杉並中継所」周辺の住民が、頭痛などの健康被害を訴えた問題。不燃ごみを圧縮する中継所が稼働した1996年から、のどや目の痛みなどを訴えて約120人が被害を届け出た。うち18人が「施設で発生した有毒化学物質が大気を汚染している」と国の公害等調整委員会(公調委)に裁定を申請。東京都は大気汚染を否定していたが、2002年6月、公調委は稼働直後に限定して、施設から出る化学物質と住民被害の因果関係を認定。東京都は同年11月、公調委の原因裁定で因果関係が認められた14人に損害賠償することを決めた。また、公調委が14人と症状が同質と指摘した37人や、中継所から半径約300m以内に住み、1996年4~8月に頭痛やせきなど指定された症状を発症した人も損害賠償の審査対象に含めた。被害住民の多くが化学物質過敏症と診断されていることから、住民側は独自の調査により、施設周辺で400種類以上の化学物質を検出したと発表している。