海洋政策研究財団が全国の閉鎖性海湾について魚介類の生育や有害物質などの状況を分析し、悪化の度合いを診断した海洋環境評価。海の健康を「生態系が安定していて海水の循環が円滑であること」と定義し、魚介類の生息環境、海水の循環、有害物質の堆積・分解など七つの観点で悪化の度合いをA~Cに格付けした。2004年度の第1回評価では、全項目で「健康」にあたるAとなった海はない。東京湾、有明海・島原湾(福岡県など)は全項目がC(要精密検査)で、大都市に近いほど深刻な健康状態。07年度の第2回評価では、なんらかの項目でC判定が出た海湾は検査対象の90%に達した。また、65%で底質環境がCとなり、全国の多くの海湾で底層の環境が病んでいる現状が明らかになった。