生物に影響が及ぶほど酸素濃度の低い水塊。境界値には様々な指標があるが、水産用水基準では、4.3mg/lが底生生物の生息状況に変化を引き起こす臨界濃度とされ、それ以下の酸素濃度の水塊が貧酸素水塊。海上保安庁の「東京湾再生プロジェクト」の一環として、2003年5月から始まった東京湾奥の水質の常時監視により、貧酸素水塊の発生が冬に観測された。内湾では夏にしか発生しないと考えられていた貧酸素水塊が冬にも観測されたことで、東京湾の汚染の深刻さが改めて確認された。「東京湾再生プロジェクト」では、底層の溶存酸素濃度を東京湾再生の指標とし、年間を通じて底生生物が生息できる限度に回復させるという目標を設定している。