吉野川にかかる第十堰の改築に際して堰を撤去し、1.2km下流の徳島市と対岸の藍住町に、約720mの長さを持つ開閉式の堰(可動堰)を新たに設ける計画。1988年度に、建設省(当時)が治水を理由に実施計画調査を開始したが、水質悪化に伴う生態系の破壊などが危ぐされたことから、2000年1月の徳島市の住民投票では反対票が90%に達した。同年8月に、与党三党が計画を白紙に戻すよう政府に勧告したことを受け、流域の首長らでつくる「第十堰建設促進期成同盟会」は、01年6月に現計画に基づく建設推進の断念を決定。02年4月に当選した大田正知事(当時)は、可動堰の建設計画で「すでに民意は出ている」と、中止を明言した。