二酸化炭素(CO)に着目した炭素税は、低炭素社会実現のための有効な経済的手法である。地球温暖化対策税はCOへの課税による経済的インセンティブを活用して化石燃料に由来するCOの排出抑制を進めるとともに、その税収を活用して再生可能エネルギーや省エネ対策を始めとするエネルギー起源CO排出抑制対策を強化することを目的とするものである。2012年度税制改正において「地球温暖化対策のための税」(以下「地球温暖化対策税」)が創設された。地球温暖化対策税は、石油・天然ガス・石炭といったすべての化石燃料の利用に対し、環境負荷に応じて広く薄く公平に負担を求めるものであり、全化石燃料に対してCO排出量に応じた税率(CO排出量1トン当たり289円)を上乗せしている。12年10月から施行され、急激な負担増を避けるため、税率は3年半かけて3段階に分けて引き上げられる予定である。税収は日本の温室効果ガスの9割を占めるエネルギー起源CO排出抑制施策に充当するとともに、再生可能エネルギー大幅導入、省エネ対策の抜本強化等に活用される。