1952年、旧建設省が利根川水系の治水を目的に群馬県長野原町に建設を構想した多目的ダム。長野原町などで反対運動が起きたが、同町は85年、生活再建を条件に建設を受け入れ。86年に基本計画が告示された。しかし、「コンクリートから人へ」を掲げ、衆院選マニフェスト(政権公約)に建設中止を明記した民主党への政権交代にともない、前原国土交通相(当時)が2009年、建設中止の方針を表明した。利根川流域の自治体などがこれに反発、東京都など1都5県の知事は10年12月、八ツ場ダムの早期完成を求める申し入れをした。11年11月、国土交通省関東地方整備局が建設継続を妥当とする検証結果を示したのを受け、同年12月、政府・民主党は中止方針を撤回し、建設継続を正式決定した。