低周波の音や振動による生活被害。日本ではおおむね1~100ヘルツの音を低周波音、なかでも人間の耳では特に聞こえにくい20ヘルツ以下の音を超低周波音と呼んでいる。低周波音の影響には、不快感や圧迫感などの人への影響(心身への影響)と、建具などをがたつかせる物的影響がある。いずれも低周波音が大きくなると発生する。環境省によると、生活環境で発生している程度の大きさの低周波音では直接的な生理影響を生じる可能性は少ないと考えられている。睡眠影響については、眠りが浅いとき低周波音の大きさが10ヘルツで100デシベル、20ヘルツで95デシベル以上になると目覚めることがあるという実験結果がある。低周波音による苦情は増加傾向にあり、環境省は「低周波音問題対応の手引書」、「低周波音防止対策事例集」、「低周波音対応事例集」などをまとめた。主に深夜電力を使う家庭用給湯器「エコキュート」が出す低周波音でめまいや不眠を訴える事例があり、消費者庁の消費者安全調査委員会(消費者事故調)が調査を始めた。