2013年11月11日から23日までポーランドのワルシャワにおいて開催された、第19回目の国連気候変動枠組条約(気候変動に関する国際連合枠組条約)締約国会議のこと。あわせて京都議定書第9回締約国会議(CMP9) も行われた。会議の焦点は、これまで先進国だけに温室効果ガスの削減を義務づけた「京都議定書」に代わり、すべての国や地域が参加して20年から始める新たな枠組みを、15年の末に開かれるCOP21で合意するための道筋をつけることであった。主に次の4つのテーマが議論された。(1)各国の今後の温室効果ガスの削減目標に関するもの。20年以降の枠組みについては、締約国会議は、すべての国に対し自主的に決定する約束草案(温室効果ガス削減目標や行動計画)を、15年予定のCOP21よりも「十分に早い時期」に提出し、可能な国はその年の3月末までに提出することが決まった。20年までの削減目標の向上については、高い排出削減可能性のある行動の機会に関する技術専門家会合の開催や、都市・地方の経験、ベストプラクティスの共有に関するフォーラムの開催等が決定された。また、先進国は条約の下での目標(京都議定書第二約束期間の目標を持つ国についてはその目標)の再検討を行うことが要請された。(2)途上国への資金的支援に関する決定。COP16で20年までに先進国全体で官民合わせて年間1000億ドル動員することと、緑の気候基金(GCF)の設立が決定され、短期資金として10~12年に、先進国全体で300億ドルの資金提供がされてきた。結果的に気候資金の継続的な供与と短期資金の期間(10~12年)からの増額の方向は決定されたが、中期目標の設定などの具体的な道筋については合意されなかった。(3)巨大台風などの気候変動の悪影響に関する損失と被害(ロスとダメージ)に関する決定。これについては、ワルシャワ国際メカニズム(WIM)という国際組織を14年から発足させることに合意した。(4)途上国における森林減少・劣化に由来する排出の削減等(REDD+)に関するもの。技術ガイダンス、資金、組織を含む支援の調整に関する枠組みが決定された。