大気中に浮遊する粒子径2.5マイクロメートル以下の微小な粒子。燃焼に伴い自動車や工場から排出されるほか、粉じんやたばこの煙などにも含まれる。非常に小さいため、吸い込むと肺の奥深くに入りやすく、呼吸器系や循環器系への影響が指摘されている。浮遊粒子状物質には他に、粒子径がおおむね10マイクロメートル以下のPM10、粒子径が6.5~7.0マイクロメートル程度のSPM(浮遊粒子状物質:Suspended Particulate Matter)があり、世界的にはPM10とPM2.5が大気汚染の指標とされる。日本では環境基準として、SPMに対し、24時間平均値が1立方メートルあたり0.1ミリグラム以下(100マイクログラム)、かつ1時間値が1立方メートルあたり0.20ミリグラム以下、PM2.5に対しては1年平均値が1立方メートルあたり15マイクログラム以下、かつ1日平均値が1立方メートルあたり35マイクログラム以下という環境基準を設けている。中国からの越境汚染などにより近年PM2.5の濃度が上昇しているため、環境省は2013年2月、注意喚起のための暫定的な指針を示した。1日の平均値が1立方メートルあたり70マイクログラムを超えると予測される場合は、各都道府県などが住民に対し、外出や外での長時間の激しい運動、換気を控えるよう呼びかける。