2011年3月の東京電力福島第一原子力発電所の事故で大気中に放出された放射性物質が、ごみの焼却灰、下水汚泥、浄水発生土、稲わら・たい肥などに付着、濃縮した。指定廃棄物はこれらの汚染物質のうち、一定濃度(1キログラム当たり8000ベクレル)を超え、放射性物質汚染対処特措法に基づいて環境大臣が指定したもの。その処理は国が(環境省が関係各省と協力して)行うことになっている。現在、国の処理体制が整わず緊急的な措置としてごみの焼却施設、浄水施設、下水処理施設、農家などの敷地内で一時保管されているが、指定廃棄物の保管場所はひっ迫している。指定廃棄物は発生した県内で減容(焼却等)・安定化等の中間処理を行い、既存の処分場または国が設置する処分場に埋め立てることになっているが、長期間にわたって安全性が確保できる最終処分場の確保のめども立っていない。指定廃棄物の保管施設や中間処理施設での敷地境界での追加被ばく量は、前記特措法の基本方針で年間1ミリシーベルト以下となるように決められている。