狩猟者のための公益団体。東京に本部を置く全国組織の大日本猟友会と各都道府県猟友会がある。「野生鳥獣の保護」「有害鳥獣の駆除」及び「狩猟の適正化」を事業の基本施策にしており、自然保護団体の一つともいえる。これまでの狩猟者は地域の生業としての猟師(農閑期の狩猟従事者)、趣味で狩猟をする人々(主に都会からのレクリエーション客)であったが、近年林業や農業の鳥獣被害を防ぐための害獣の駆除(管理捕獲)という重要な目的が加わった。しかし、狩猟者は高齢化の進行、銃刀法の規制の厳格化などで全国的に減少しており、鳥獣駆除の戦力は弱体化している。2009年に施行された改正銃刀法で追加された要件は、地方にはあまりいない精神保健指定医の診断書の提出、射撃場での技能講習、75歳以上の認知機能検査などがある。07年の長崎県佐世保市での散弾銃乱射事件など、猟銃を用いた重大犯罪が法改正の契機となった。改正によって、銃猟のできる第1種免許を持つ猟友会員が著しく減少。大日本猟友会でも、第1種免許を持つ会員数が09年度末には9万9083人となり、初めて10万人を割り込んだ。シカやイノシシなどによる農産物被害が深刻化する中、地元猟友会に駆除を委託している各県は免許所持者の減少を心配している。