2017年11月6日から17日まで、ドイツのボンで開催され、議長国をフィジーが務めた国連気候変動枠組条約第23回締約国会議のこと。主要成果として、(1)パリ協定の実施指針の交渉(20年以降の世界各国の気候変動対策を進めるための指針を、18年のCOP24で合意に導くための交渉)が進められ、交渉の土台となる技術的な作業が進展したこと。(2)18年の促進的対話(タラノア対話)の基本設計が議長国フィジーから提示されたこと。「タラノア」とは、フィジー語で透明性・包摂性・調和を意味し、世界全体の排出削減の状況を把握し、意欲の向上を検討するための対話の促進を目的としている。(3)国、自治体、企業など、全ての主体の世界規模での取組を促進(グローバルな気候行動の推進)する合意がなされたこと、などがある。さらに、18年及び19年のCOPにおいて、全ての国の20年までの取組(パリ協定に基づく取組より以前のもの)に関する対話を開催することも決まった。また、会期中にイギリス及びカナダの主導で、各国の政府、自治体、企業が、石炭火力発電所の早期廃止を目指すために連携して取り組むため、石炭火力発電所を廃止する連合(石炭発電の全廃を目指す脱石炭発電連合、Powering Past Coal Alliance)が発足したが、日本は参加を保留している。そのため、世界各地の石炭火力発電の新増設や発電技術などの輸出の中止を主張する環境NGOなどから、日本政府は批判にさらされた。