人為起源の気候変動による全気温上昇を一定のレベルに抑える場合に想定される、温室効果ガスの累積排出量(過去の排出量と将来の排出量の合計)の上限値。IPCC第5次評価報告書の統合報告書によれば、2100 年までは、二酸化炭素累積排出量と予測される世界平均気温の変化量の間に、強固で、整合的で、ほぼ比例の関係があることが明らかになっている。1861~80年平均からの人為起源の全気温上昇を 66%(3分の2)以上の確率で 2℃未満に抑えるためには、1870 年以降の全ての人為起源の発生源からの二酸化炭素累積排出量を約 2900ギガトンCO2(2.9 兆トン)未満に留めることが必要である。2011 年までに既に累積で約 1900 ギガトンCO2(1.9 兆トン)が排出されていることから、12 年以降の世界全体での累積排出量を約 1000ギガトンCO2、すなわち約1兆トンに抑える必要があるということになる。