気候変動の原因となる二酸化炭素(CO2)による社会的外部費用(気候変動によるさまざまな被害など)を内部化するために、炭素に価格を付け、排出される炭素の量に応じて何らかの形で課金をすること。炭素に価格が付くと、CO2排出者は排出削減か、排出対価の支払いを選択することになるため、排出削減への経済的インセンティブが生じ、気候変動への対応が促される。その結果、社会全体でより柔軟かつ経済的にCO2を削減できる。具体的手法には、炭素税(環境税の一種)、排出量取引制度などがある。カーボンプライシングは、低炭素技術への投資と市場の拡大へのインセンティブともなる。世界銀行によると、2016年11月現在世界では約40か国と20以上の地域が排出量取引制度や炭素税などカーボンプライシングを実施しており、世界排出量の約13%をカバーしている。17年には、中国全国排出量取引制度が導入されたことにより、世界でのカバー率は20~25%に拡大すると見込まれる。近年は民間企業でも、企業の社会的責任や、将来を見越して、自主的に社内的なカーボンプライシングを導入し、社内での経営や投資計画に活用する事例も増えている。