ニコチンに似た物質を主成分とする農薬の総称。1990年代から殺虫剤などの用途で使われ、世界で多発するミツバチの大量死や群れの消滅(蜂群崩壊症候群:CCD)との関連が指摘されている。欧州連合(EU)の欧州委員会は、クロチアニジンなど3種類のネオニコチノイド系農薬を当面使用禁止にした。2017年には、ネオニコチノイド系農薬を低い濃度でミツバチに与えると、寿命が約2割短くなったり、女王蜂の数が減ったりしたという実験結果や、日本を含むアジア、北米、南米、欧州、オセアニアなどから集めた198の蜂蜜のサンプルの75%がネオニコチノイド系農薬を含んでいたという報告が、アメリカの科学誌「サイエンス」に掲載された。また、千葉工業大学の亀田豊准教授らの2017年の調査では、日本各地の蜂蜜やミツバチ、さなぎがネオニコチノイド系農薬に汚染されていた。9都県で集めた73サンプル全てで検出され、蜂蜜の6割超は国の暫定基準を上回った。