ある程度の量の化学物質に曝露されるか、低濃度の化学物質に長期間反復曝露されて過敏状態になると、のちに微量の同系統の化学物質に対しても過敏になる状態。粘膜刺激症状、皮膚炎、気管支炎、喘息、循環器症状、消化器症状、自律神経障害、神経症状など、症状は多様。こうした病態を国際的には「多種化学物質過敏状態(MCS:Multiple Chemical Sensitivity)」と呼ぶが、厚生労働省室内空気質健康影響研究会報告書では、「化学物質過敏症」の呼称は「MCSに相当する病態として示す医学用語として必ずしも適当であるとは考えられない」という見解を示した。環境省は、「本態性多種化学物質過敏状態」と称している。空気中に微量に含まれる化学物質による健康影響やメカニズムなどは解明されておらず、診断方法や治療方法も確立していない。