少子化は、晩婚化や非婚化だけでなく、夫婦出生力あるいは有配偶出生力の低下にも由来する。晩産化は通常、女性の平均出生年齢の上昇で示される。日本では、第1子平均出生年齢は1980年の26.4歳が2009年に29.7歳、第2子では28.7歳が31.7歳に上昇している(厚生労働省「人口動態統計」)。合計特殊出生率の低下は、1970年代から80年代にかけては主に晩婚化・非婚化の影響であったが、90年代以後から夫婦出生力の低下もかなり関連している。本来、晩婚・晩産が止まれば、産み戻しによって出生率はいくらか回復するはずだが、出生の先延ばしによって受胎確率の低い年齢に突入するために起きる出産逸失効果のほかに、最近は出産意欲の減退によって夫婦出生力が低下する影響が現れて回復を困難にしている。