オランダのバン・デ・カー(D.van de Kaa)とベルギーのレスタギ(R.Lesthaeghe)が唱えた学説。人口転換とは、ヨーロッパで18世紀から20世紀にかけて多産多死から少産少死に至る人口過程であるが、合計特殊出生率は2.1前後に達した後安定すると考えられていた。しかし1965年頃から西欧の出生率はほぼ一斉に低下して、2.1の人口置き換え水準を大きく下回り、その後30年も低迷を続けている。2.1以下の低出生率は構造化して、元に戻るのは難しいというのが「第2の人口転換」である。60年代後半から価値観の変化が起き、結婚や出産が人生で絶対的なものではなくなった。特に女性の家庭外での就業率が高まり、夫が外で働き、妻は家事育児に専念するという伝統的な分業体制が大きく変わってきたことが主因とされる。第2の人口転換は単に西欧だけでなく、東アジアのような他の地域にも起こると予想している。