近代国家の成立とともに行政上の目的で一定の時期にすべての住民に対して行われる人口調査である。人口統計には人口静態統計と動態統計(→「人口動態統計」)があり、人口静態統計は国勢調査が中心であるが、国勢調査は刻々変わる人口の流れをある時点でいわば輪切りにしてその横断面の内容を調査する。日本の場合、1920年以後10年おきに大規模調査、その中間年に簡易調査が行われている。調査の方法としてまず全国を国勢調査区という網目で被い、1調査区におおむね50世帯を含むように設定する。調査時に調査員が全世帯に調査票を配布し、当該世帯員が調査項目について記入する。調査票は調査員が回収した後市区町村から都道府県を経て総務省統計局に送られ、集計され公表される。調査項目には世帯員と世帯に関するものがある。世帯員に関しては氏名、性別、出生年月日、配偶関係、労働力状態、従事する産業、職業等を調べ、世帯に関しては世帯の種類、住宅の状況等を調査する。