人口変動をもたらす出生、死亡、婚姻、離婚、死産に関する統計である。国勢調査のように調査員が現場に出向いてこれらの事象を調査するのではなく、住民がその居住する市区町村の役所に届ける届出書に基づいて情報が集められる。最終的には都道府県によって厚生労働省に送付され、そこで集計され報告書にまとめられる。元来日本人だけが集計の対象であったが、近年外国人に対しても行われ、付表として示されている。国内人口移動、国際人口移動も人口変動の要因であるので人口動態統計の一部と考えられようが、日本では国内人口移動は別の統計システムである「住民基本台帳」を通じて記録が収集される。また国際人口移動は法務省による「出入国管理統計」によって求められる。近代的人口動態統計の歴史は欧米で近代国家が成立した19世紀前半からで、日本では国勢調査に先立つ1871年に始まっている。貧しい途上国の中には人口動態統計登録制度を備えていない国がかなり見られ、また備えていても作成された統計が不十分・不正確な国が相当数あるといわれる。