出生動向基本調査の一つで、18歳以上50歳未満の未婚男女を対象とした全国標本調査。2010年調査は有効票数1万581、有効回収率は74.3%であった。今のところは、年齢が18歳以上35歳未満の未婚男女を中心に、集計分析が行われている(男性3667人、女性3406人の有効票数)。いずれは結婚しようと考える未婚者の割合は男性86.3%、女性89.4%で、依然として高い水準にある。また、「理想の相手が見つかるまでは結婚しなくてもかまわない」と考えるよりも、「ある程度の年齢までには結婚するつもり」と考える割合が増えるなど、これまで見られてきた結婚の先延ばし意識がやや薄らいでいる。異性の交際相手をもたない未婚者が、男女ともに増加した。男性の61.4%、女性の49.5%は異性の交際相手をもっていない。1990年代と2000年代以降の意識を比較してみると、未婚者は、男女ともパートや派遣で働く学生の割合が増加している。そして男女ともに交友が減り、仕事のために私生活を犠牲にしている人が増えている。「離婚は避けるべき」「生涯独身でいるのはよくない」「同棲よりも結婚すべき」「結婚に犠牲は当然」という考えは支持が増えている。同様に、結婚・家族離れの傾向にも変化が起きている。総じて未婚者の先延ばし意識は薄らいだが、異性との交際は低調である。そして反家族主義的、反伝統的傾向は逆転し、保守的になったとの傾向が読み取れなくもない。