住居と生計を共にする人、つまり世帯員の集まりの単位を世帯といい、世帯員の代表的な1人を世帯主と呼ぶ。この世帯の類型別割合を世帯構造という。世帯には一般世帯(private household)と、寮の学生や入院患者などの施設世帯(institutional household)があるが、通常は一般世帯を指すことが多い。一般世帯を家族類型によって分類すると、親族世帯、非親族世帯、単独世帯(1人のみの世帯)に分けられる。親族世帯は核家族とその他の親族世帯に分けられる。国勢調査による一般世帯数と1世帯当たり人数の推移をみると、1970年代以降、人口増加が頭打ちであるのに対し、世帯数は増え続けている。これは1世帯当たりの人数の減少によるものであり、ことに単独世帯の増加が顕著である。1970年と2010年を比べると、1世帯当たり人数は3.41人から2.42人に減った一方で、単独世帯の割合は20.3%から32.4%に高まった。その背景には、未婚化、少子化に加え、離婚率上昇、親と成人した子の同居傾向の弱まりなどがあるとみられる。とりわけ高齢独居世帯の増加は、貧困も含め深刻な問題となっている。またシングルマザー世帯も貧困に陥りやすいことから注目されている。