ある年に生まれた人が、その後生きることが期待される平均年数を示す平均寿命に対し、良好な健康状態で生きることが期待される平均年数のこと。この場合、疾病や障害をもつ状態で過ごす期間を不健康寿命という。すなわち健康寿命は平均寿命より短く、「平均寿命=健康寿命+不健康寿命」という関係にある。指標としての健康寿命の問題点は、健康あるいは不健康の定義が一様でないことである。そのため、異なる算出方法による複数の数値が公表されており、比較には注意を要する。厚生労働省は健康寿命を「日常生活に制限のない期間」と定義し、2013年の日本人の健康寿命は男性71.19年、女性74.21年と発表している。平均寿命である男性80.21年、女性86.61年との差は、男性の9.02年より女性の12.40年の方が長い。また世界保健機関(WHO)の報告書「World Health Statistics 2014」は各国の12年の健康寿命の推計値を掲載しているが、日本人の健康寿命は75年と、世界のトップレベルにある。健康寿命を延ばすことは国民の生活の質(quality of life)を改善することであり、医療や介護の費用増加を抑えることにつながることから、健康政策の目標として重視されている。