ある年のある年齢の平均余命を基準とし、別の年にそれと等しい平均余命をもつ年齢のことで、人口高齢化の捉え方として注目されている指標である。平均余命が等しいということは、大まかには健康度が等しいとみなされる。国立社会保障・人口問題研究所の金子隆一副所長の試算によれば、1955年の65歳男性の平均余命等価年齢は、2010年では74.4歳であり、60年には79.0歳となると予想されている。また1955年の65歳女性の平均余命等価年齢は、2010年には76.4歳であり、60年には80.8歳となると予想されている。いっぽう、男女合わせた65歳以上人口の割合である高齢化率は、2010年には23.0%であり、30年には31.6%、60年には39.9%になると予想されている。しかし、1955年の平均余命等価年齢から捉えると、高齢化率はそれぞれ10.6%、16.1%、20.1%にとどまる。このように、実年齢に基づく高齢化指標をこの指標に置き換えると、数字の上で高齢化の度合いが顕著に低下することになる。平均余命等価年齢は、高齢者の健康度が著しく改善しているという観点から老年人口を再定義する試みともなる。