人類は有史以来食べ物を精製・加工して利用してきた。米を例にとれば籾摺り(もみすり)をし、胚芽と糠を除いて白米として食している。その過程でビタミン・ミネラル・食物繊維といった栄養素を損失し、損失した栄養素をサプリメントで取るといった本末転倒な事態に陥っている。除かれた栄養素には、まだ未知のものもある可能性がある。マクロビオティックはこの反省に立って、食物をありのまま食するというものである。創始者は、京都生まれの桜沢如一(さくらざわゆきかず)で、自身が大病にかかった際に食養法で回復。以来、食養法の研究を始めたことに端を発する。身土不二(身体と環境はばらばらではない)、一物全体(一つのものをまるごと食べる)の二つを基本理念に、その土地で採れた旬の素材をまるごと食べるという食餌(しょくじ)療法。精製された砂糖や家畜でも乳や卵はよいが肉は食さないなど極端な例も見られる。現代の栄養学の難点を指摘し評価する向きもあるが科学的に未知の部分が多い。