地域の食文化を見直そうという運動。1980年代にイタリア北部のブラという町で、世界的ファストフードチェーン店の開店に反対する運動から始まった。ファストフードは伝統的な食事を壊し、ひいては食文化や味覚の退廃を招くという考えからである。ファストフード(短時間で供される画一的な食事)に対してスローフードという言葉を掲げ、本家イタリアにスローフード協会を設立。この運動は世界中に広まっていった。2006年時点で、世界108カ国に8万人を超える会員がいる。日本では05年にスローフードジャパン(SFJ)が設立され、日本国内のコンヴィヴィウム(支部)をまとめている。また、農林水産省もスローフードは地方の農業振興につながることから、食育とならんで推進を図っている。