にがり(苦汁)は、海水から食塩を製造する際に出る副産物。とても苦いことからこの名がある。海水に含まれている塩類が濃縮されている。製造法によって若干組成は異なるが、主成分は塩化マグネシウム、塩化カリウム、それに食塩である塩化ナトリウムである。大豆のたんぱく質が塩類で固まる性質を持っていることから、古くから豆腐の製造に利用されている。一方、マグネシウムが骨を丈夫にする、心臓の機能を高めるといった栄養効果があること、塩化マグネシウムは大腸での水分の吸収を妨げることから下痢を起こす、逆にいえば便秘を防ぐことから、ダイエットの目的でも服用されている。しかし、マグネシウムは取り過ぎると健康に障害を起こすことから上限量が決められており、食事摂取基準(2005年)では、通常の食事以外から摂取するマグネシウムの上限量を350mg/日としている。マグネシウム含有量5%のにがりでは7mlの摂取で上限となる。