宇宙空間で宇宙飛行士が食べる食事である。現在、宇宙食を製造している国は、有人飛行を行っている米国、ロシア、中国の3カ国に限られる。米国とロシアは共同して国際宇宙ステーション(ISS)の建設に取り組んでおり、スペースシャトル(米国)とソユーズ(ロシア)により飛行士を運んでいる。そのためにそれぞれ宇宙食を開発し、米国(NASA)では約300種、ロシアは約200種の宇宙食を用意している。飛行士はこれらのメニューから好みのものを選択して宇宙に持参する。宇宙食は長い賞味期間を必要とし(室温で1年間)、無重力で食せることも必要である。また、栄養的にも無重力状態で身体に起こる生理的影響を軽減する内容が求められる。それは、筋肉の萎縮、骨量の減少、宇宙線被曝による体内酸化の促進などである。形態から宇宙食を分類すると、凍結乾燥食品、レトルト食品、放射線殺菌食品、中間水分食品に分けられる。日本でも、ISSに日本人飛行士が滞在することを見越して、JAXA(宇宙航空研究開発機構)において日本食宇宙食の開発が進められ、07年6月に第一次として29食品が認証された。2005年に野口飛行士が持参した宇宙ラーメン(スペース・ラム)はその第一弾。このラーメンも無重力下での食事を考慮して、一口サイズで汁にもとろみがつけられている。