牧場で飲む搾りたての牛乳はとてもおいしい。店頭で購入する牛乳との違いは何なのであろうか。それは殺菌である。市販されている牛乳は、一般に高温(110~120℃)で殺菌されている。時間は短くても(1~2秒)熱によって成分に変化が起き、風味が劣化する。これを避けるには低温(63℃)で長時間(30分)殺菌する方法があるが、殺菌効果は十分でなく、広域流通する製品には不向きである。そこで登場したのが明治乳業の「おいしい牛乳」である。そのポイントは加熱殺菌する際に牛乳から酸素を取り除いたことである。加熱によって風味が劣化するのは、脂肪の酸化であることがわかり、酸素を取り除くことで避けられる。明治乳業では、この技術をナチュラルテイスト製法と呼び、国内で特許を取っている。