梅雨のある日本には数千種のキノコが自生しているが、そのうち、毒キノコとみられるのは約30種に過ぎない。毒性が強いのはテングタケ科のタマゴテングタケやドクツルタケなどであるが、これらは見た目も鮮やかで判別しやすく、誤食は少ない。中毒が多いのは、食用のクリタケと間違えるニガクリタケ、シメジと間違えるクサウラベニタケなどである。毎年のキノコによる食中毒報告数は約50件、患者数150人前後でほぼ横ばいである。2010年に話題となったのは、通常は自ら採取し、調理して中毒を起こす例がほとんどだったのに対し、誤ってスーパーマーケットや直売所で販売された例があったからである。