フェニルピロール系の非浸透移行性殺菌剤で、農薬の一種。糸状菌(かび)の育成や伸長を阻害する機能があることから、多くの国で農薬登録されている。日本では、かんきつ類などの果実類の保存中に発生するかびを防止するための防かび剤を添加物として規制している。従来から、ジフェニル、チアベンダゾールなどが、かんきつ類やバナナへの使用が許可されているが、2011年8月に新たにフルジオキソニルが防かび剤として指定された。使用基準は、キウイ0.020g/kg、かんきつ類(みかんを除く)0.010g/kg、あんず・さくらんぼ・ざくろ・すもも・西洋なし・ネクタリン・びわ・マルメロ・もも・りんご0.0050g/kgである。消費者団体は、フルジオキソニルが広範囲の食品に使用可能なこと、生鮮品が単体で店頭に並ぶとき、使用しているという表示が適切に行われないのではないかなどのおそれがあることから、警戒感を強めている。