飲食店などで食肉を生で提供する場合、厚生労働省が1998年に定めた衛生基準を守ることが必要であるが、この基準はガイドラインで罰則がない。そのために順守していない店舗も多く、2011年4月には焼き肉外食チェーン店で提供するユッケを食べたことによる食中毒事件が発生した。そこで厚生労働省は、食品衛生法に基づく食品の規格・基準の改正を行い、罰則がある規格基準を新たに設け、同年10月から施行した。ポイントは、専用の設備を備えて衛生的に取り扱うことや、食肉のブロックを包装し、表面から1センチ以上の部分を60度で2分間以上加熱処理することを義務付けたことである。この処理によって病原微生物は殺菌される。さらに、店頭に「生食は食中毒のリスクがあります」「子どもや高齢者など抵抗力の弱い人は食べないようにしましょう」という掲示も義務付けられた。