フグは、フグ目フグ科の海水魚の総称だが、食用フグとしては、フグ科以外にもハリセンボン科、ハコフグ科のフグが含まれる。日本では、フグ科のマフグ、トラフグ、クサフグなど、ハコフグ科のハコフグ、ハリセンボン科のハリセンボン、イシガキフグなど、合計で22種類が食用フグとして認められている。フグの毒の強さは、種類や部位によって異なり、特に卵巣や肝臓に毒がたまりやすく、皮にも毒があるものが多い。特にフグ科のフグの毒が最も強い。こうした特質から、フグの調理には、都道府県の条例によってふぐ調理師免許が必要である。調理後の内臓も鍵付きの容器に入れ、専門の業者によって回収される。フグの毒は、フグ自身がつくるのではなく、フグの餌であるプランクトンに毒があり、食物連鎖によってフグの体内で濃縮されたものである。したがって、養殖のフグには毒がない。そこで、フグを養殖して、内臓を提供することが特区として企画されたが、厚生労働省は認めていない。2012年10月、東京都は条例を改正し、有毒部位除去済みのフグ(身欠きふぐ)を仕入れて販売したり、飲食店で提供したりする場合には、ふぐ調理師免許が不要となった。