日本人が健康を維持するために必要なエネルギーと栄養素の量を定めたもの。厚生労働省が5年に一回、改定して公表している。管理栄養士による栄養指導の基本となる。前回の2010年版からの改定の主眼は、生活習慣病の発症予防とともに、重症化予防もその策定目標に加えたことである。したがって、対象は健康な人だけでなく、高血圧、脂質異常、高血糖、腎機能低下に関して保健指導レベルにある者までも含むとした。栄養素ごとに、推定平均必要量、推奨量、目安量、耐容上限量、目標量が定められている。推定平均必要量は、健康な人の必要量の平均値であり、特定の集団において半数(50%)の人が必要量を満たす量である。推奨量は、ほとんどの人(97~98%)が必要量を満たす量で推定平均必要量の倍に設定されている。目安量は、十分な科学的な根拠が得られないため、推定平均必要量と推奨量が設定できない場合に設定する。耐容上限量は、過剰摂取による健康被害を回避するための量で、目標量は、生活習慣病の予防を目的に設定された量である。なお、エネルギーについては、体重の指標であるBMI(Body Mass Index)を採用。これを適正に維持するだけのエネルギーを摂取するとしている。