缶コーヒーの歴史は意外に浅く、1970年代に出始め、広く普及したのは80年代になってからである。その理由は、保存性の問題があったためである。缶コーヒーは、自動販売機の中で高温で長期間保存されるので、酸素を嫌う嫌気性芽胞菌が繁殖しやすい。嫌気性芽胞菌が増えると酸が生成され、酸っぱくなることからフラットサワーと呼ばれ、品質劣化の大きな原因となる。その防止技術の開発に時間がかかったためである。現在は、ショ糖脂肪酸エステルのような乳化剤の添加で防止している。近年、特定保健用食品として認められた缶コーヒーが人気を集めている。コーヒーに含まれるポリフェノールの一種、クロロゲン酸含量を高めたコーヒーで、体脂肪を分解する機能がある。