WHO(世界保健機関)食品安全・人畜共通感染症部は、世界における食品由来の疾病感染状況を2015年12月に初めて公表した。食品の汚染は、細菌、ウイルスなど微生物をはじめ、寄生虫や化学物質にも由来する。報告書によると、毎年、世界の人口の約10分の1に当たる6億人が汚染された食品を摂取することにより疾病に罹患し、内42万人が死亡しているとしている。とくに、アフリカと東南アジアで罹患率や死亡率が高い。ノロウイルスや病原性大腸菌などに汚染された、生または加熱が不十分な肉や生鮮農産物などで発病することが多く、短期的症状としては食中毒の症状だが、がんや腎臓、肝臓不全などの原因にもなっている。日本では、厚生労働省が食中毒統計を公表しており、これによると、2015年では、患者数は2万2718人、死者数6人である。