証券会社が取り扱う個人向けの資産管理口座で、「投信型(ファンド・ラップ)」と「投資顧問型(コンサルティング・ラップ)」の二種類がある。取引ごとに発生していた手数料が、資産残高の一定割合に包括(wrap)されることから名付けられた。1998年に登場した日本初のラップ口座は、いくつかの投資信託のなかから、顧客ニーズに合ったものを組み合わせて運用する投信型であった。投資顧問型では、運用資金を証券会社に預託し運用を任せる投資一任契約を締結する。顧客は売買回数とは無関係に資産残高に応じた一定の年間手数料を支払う。投資一任契約を締結して運用する主体によって、(1)証券業務と運用業務を別の会社(投資顧問会社)が行う場合、(2)証券会社が社内の運用部門で運用する場合、(3)証券会社の営業員が運用する場合とがある。2004年4月より投資顧問業法の改正によって、それまで厳しく定められていた証券会社による投資顧問内容に関する開示義務が免除され、多くの証券会社が投資顧問を兼務する形でのラップ口座に積極的に取り組んでいる。また07年9月に施行された金融商品取引法では、証券会社本体による「投資一任勘定取引」を認める規定が盛り込まれ、投資顧問業の資格をもたない中小証券会社の参入も可能となっている。