青色欠損金とは、青色申告をしている法人のその事業年度で生じた欠損金をいう。青色欠損金は、翌事業年度以降の所得金額から控除することができる。2015年度の税制改正で繰越控除の期間を改正前の9年から10年に延長した（17年4月1日以後開始する事業年度から適用）。その理由は、その事業年度で控除できる金額を、繰越控除を適用する前の所得金額の80％から、(1)15年4月1日から17年3月31日までの間に開始する事業年度は65％に、(2)17年4月1日以後に開始する繰越控除をする事業年度は50％に制限することによる。しかし、16年度の税制改正で法人税率をさらに引き下げることにしたため、繰越控除の割合を改正する。具体的には、(3)16年4月1日から17年3月31日までの間に開始する事業年度については、(1)の「65％」を「60％」に引き下げる。(4)17年4月1日から18年3月31日までの間に開始する事業年度については、(2)の「50％」を「55％」に引き上げる。(5)18年4月1日以後に開始する事業年度は、(2)と同様に「50％」とする。さらに、繰越控除を認める期間を「10年」とする時期については、18年4月1日以後開始する事業年度と1年遅らせることにした。なお、繰越控除の制限措置は、資本金が1億円以下の中小法人（資本金5億円以上の親法人の100％の子会社を除く）、公益法人等、協同組合等、人格のない社団等には適用しない。（→「欠損金の繰り戻し還付」）