納税者が自己または自己と生計を一にする配偶者その他の親族の医療費を支払った場合に、一定額を所得金額から控除する制度。(1)医師、歯科医師による診療、治療、(2)治療、療養に必要な医薬品の購入、(3)病院、診療所、助産所へ収容されるための人的役務の提供、(4)あん摩、マツサージ、指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師による施術、(5)保健師、看護師、准看護師による療養上の世話、(6)助産師による分べんの介助、(7)介護福祉士による社会福祉士及び介護福祉士法に規定する喀痰吸引等、認定特定行為業務従事者による特定行為で、その病状等の状況に応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額が、医療費控除の対象になる。これには、病院、診療所等へ通院するための通院費も含まれ、保険金、損害賠償金その他、これらに類するものにより補てんされる部分の金額を除く。医療費控除額は、その年に支出した医療費の合計額から10万円か納税者の所得金額の5%のいずれか少ない金額を超える金額になる(200万円が限度)。医療費控除を受けるためには、医療費を支払ったことを証明する領収書を確定申告書に添付し、またはその申告書の提出の際、提示しなければならない。2017年度の税制改正で、医療費の領収書の添付または提示に代えて、医療費の明細書を確定申告書の提出時に添付を義務付ける(改正前も医療費の明細書を用意していたが義務ではなかった)。この場合、税務署長は確定申告期限等から5年間、医療費の領収書の提示または提出を求めることができる。納税者は税務署長から求められた場合は、これに応じなければならない。ただし、(1)確定申告書の提出の際に、医療保険者から交付を受けた医療費通知書を医療費の明細書として添付した場合のその医療費通知書に係る医療費の領収書、(2)電子情報処理組織を使用して確定申告を行った際に、医療保険者から通知を受けた医療費通知情報で、その医療保険者の電子署名及びその電子署名に係る電子証明書が付されたものを医療費の明細書として送信した場合におけるその医療費通知情報に係る医療費の領収書については、保存を要しない。この取扱いは17年分以後の確定申告書の18年1月1日以後の提出について適用する。ただし、17年分から19年分の確定申告では、改正前の医療費の領収書の添付または提示によることができる。この取扱いは、特定一般用医薬品等購入費の医療費控除の特例(→「特定一般用医薬品等購入費の医療費控除の特例」)についても同様に適用する。