離婚した場合に、婚姻期間中の厚生年金を被保険者と配偶者の間で分割する制度。離婚時の年金分割と、第3号被保険者期間の年金分割の2種類がある。従来、厚生年金、共済年金などの報酬比例年金は一身専属のルールのもと、被保険者本人のものとされてきた。このため、サラリーマンや公務員の妻である専業主婦は、離婚すると自分名義の老齢基礎年金しか受給できず、生活不安が著しくなった。こうした問題から、2004年度の年金制度改革によって、離婚の際に、配偶者の同意または裁判所の決定によって、当事者の婚姻期間中の年金額合算額の最大50%を離別した配偶者に分割する制度が導入された。この制度は、07年以降に離婚した場合に適用される。請求期限は、離婚の翌日から2年以内。一方、第3号被保険者期間の厚生年金の分割とは、第3号被保険者(多くの場合は、専業主婦である妻)を持つサラリーマンなどの厚生年金は、夫婦が共同で負担したものと考え、法律が施行される08年4月1日以降の第3号被保険者期間について、夫婦が離婚した場合などは、報酬比例の年金額の半分を双方の協議なしで第3号被保険者に分割する仕組み。