老齢年金には、国民年金の老齢基礎年金と厚生年金の老齢厚生年金の2つがあるが、通常、老齢年金という場合は、老齢基礎年金を指すことが多い。老齢基礎年金は、国民年金の加入者が、保険料支払期間、免除期間、カラ期間の合計が受給資格期間である25年以上を満たした場合、65歳以降に受け取れる年金。40年間完全に年金を納めると満額の年間77万2800円(2014年4月以降)が受給できるが、年金受給額は、保険料納付期間に比例する。ただし、免除期間によって年金額は変わり、全額免除を受けていた期間はその2分の1、4分の3免除を受けた期間はその8分の5、半額免除を受けてきた期間はその4分の3、4分の1免除を受けた期間はその8分の7の期間が年金額に反映される。また、厚生年金の被保険者は、老齢基礎年金のほかに、上乗せ分の老齢厚生年金(報酬比例部分)を受給できる。なお、16年の改正年金機能強化法によって、老齢基礎年金の受給期間が25年から10年に短縮されることになる。老齢厚生年金の受給要件は、(1)厚生年金の被保険者期間が1カ月以上あり(ただし、65歳未満の人に支給する老齢厚生年金については1年以上)、(2)老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていることとなる。老齢厚生年金の受給額は、賃金スライド率(賃金上昇率)で在職時の報酬額を再評価した後の平均額(平均標準報酬額)と加入期間に応じて増える。