学習障害は1960年代にアメリカで命名され、比較的軽度の障害を統一する概念となった。99年、旧文部省の調査研究協力者会議は、学習障害を「基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算するまたは推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示すさまざまな状態を指すもの」と定義し、通常の学級での指導を基本に、個に応じた指導の一層の充実を提起した。学習障害には、注意欠陥・多動性障害(中枢神経系の何らかの機能不全により、注意力の状態が年齢・発達と不釣り合いで、衝動性や多動性を特徴とする障害)との重なりもみられる。高機能自閉症を含めて特別な教育的支援を必要とする児童生徒は約6%の割合で通常の学級に在籍しているとされる。2004年1月、文部科学省は関連するガイドラインを策定し、05年4月には発達障害者支援法が施行され、「発達障害」という表記が省庁で用いられるようになった。診断には細心の注意が必要であり、当事者の権利擁護が前提となる。通常の学級に所属しながら週1~2日程度通う通級学級を設ける自治体もある。07年4月、学校教育法の改正で、特別支援教育が同法の中に位置づけられ、障害に応じた個別支援が推進される法的整備がなされた。