「賢い成長」は、アメリカで高い関心がもたれている地域づくり・都市づくりの概念。広大な郊外住宅地開発を進めてきたアメリカにおいて高まりつつある、脱自動車社会を目指した考え方である。(1)できるだけ既存の建物を再利用する、(2)ローカルなコミュニティーの個性を維持する、(3)コミュニティーのセンスを高める、(4)車の代わりに歩行・自転車・公共交通機関のオプションを与える、(5)将来の世代が経済繁栄を支えることができるよう環境を保護する、といった低成長型の開発を志向している。このような考え方と呼応して、ニューアーバニズムと呼ばれる思潮が生まれた。これは、脱自動車の都市づくりを主張する専門家たちのまちづくりの考え方で、アメリカの都市計画・都市デザインを見直す契機を提供している。