日本の国内線の基幹空港としての羽田空港(東京国際空港)と、国際線の基幹空港としての成田空港(成田国際空港)との役割分担を明確にしようとする政策。このような政策をとっている例は、韓国(国内は金浦空港、国際は仁川空港)、上海(国内は虹橋空港、国際は浦東空港)でも見られる。しかし、現在ではいずれも内際分離から内際一体への回帰に向かっている。その中でも日本では、2009年に前原誠司国土交通大臣が羽田空港の国際ハブ化(→「ハブ空港」)を推進する意向を表明し、その動向が大きな注目を集めている。本来、国を代表する空港においては、国内線と国際線は、乗り継ぎの便がいいことが望まれる。したがって、内際分離はできるだけ解消されることが望ましい。ただし、日本の場合には、激しい反対闘争に遭遇しながらも、国際線を担うという目的で設立された成田空港に対する配慮から、これまで都心からのアクセスがよく、一般に利用しやすい羽田空港の国際化に向けての取り組みが進めにくかった事情がある。しかし、アジア・ゲートウェイ構想など、日本の国際化を推進する上で、羽田空港の国際化は避けられないとの認識が広がってきている。