日本の空港のほとんどは国、あるいは地方自治体によって公的に管理・運営されている。しかし、近年、その経営の非効率性が批判の対象となり、民営化によって効率化を図り、財政負担を軽減しようという世論が高まった。こうした中、政府が開催する「空港運営のあり方に関する検討会」は2011年7月に報告書(「空港経営改革の実現に向けて」)を出し、特に地方空港を中心に、経営のあり方の見直しを提言している。空港運営に関しては、空港整備特別会計(現、社会資本整備事業特別会計空港整備勘定)によってプールされた財源の中から全国の空港に一括した形で資金が配分されてきたため、個々の空港の採算性を正確に捉えることができず、経営が放漫になっていると批判されてきた。これを受け、個々の収支を明らかにする努力が払われてきた結果、多くの空港が赤字経営になっているという事実が明らかとなった。ただ、空港の所有形態は様々で、民営化といっても、滑走路などの土地を含めた全体を民間で管理するのか、あるいはターミナルビルだけを民営化するのか、様々なやり方がある。また、民営化の前段階として、民間に空港の運営を委託する指定管理者制度があり、名古屋の小牧空港などで採用されている。