人口が増加し住宅の供給が必要とされた時代には、住宅地ないし団地などの居住地(コミュニティー)づくりのための住宅や生活関連施設の計画を意味した。他方で、既存の地域社会におけるコミュニティー施設の整備やその管理・運営、さらには文化・レクリエーション活動をはじめとする様々な住民活動の振興がコミュニティーづくりと認識された。両者を合わせてコミュニティープランニングと呼ばれることもある。
人口の停滞・減少、少子・高齢化、中心市街地の衰退化、農山漁村地域の過疎化、家族形態の多様化、人びとの孤立化など、地域社会が大きく変容しつつある今日、コミュニティーの再活性化ないし再構築が課題となっており、そのための取り組みをコミュニティーデザインと呼ぶようになった。そこでは、とりわけ「人のつながり」の再構築が重視される。
コミュニティーデベロップメント、コミュニティーエンパワーメントも同種の概念である。
ヨーロッパの21世紀の都市づくりの方向を論じた「新アテネ憲章」は、「都市の中心部における人口の集中が進むと、社会的な腐蝕がはじまる。孤独、受動性や共同の目的や社会的な発案に対する無関心が一般的なものになっている一方で、住民の生活はさらに画一的なものになりつつある」とし、その対策が必要であると述べている。コミュニティーデザインは世界に共通する課題である。(→「アテネ憲章/新アテネ憲章」)