2007年3月25日の午前9時41分頃発生した、マグニチュード6.9、震源の深さは11キロの地震。逆断層と横ずれ断層の複合断層地震であった。震度6強の石川県輪島市を中心に、死者1人、負傷者356人、全壊686棟、半壊1740棟、一部損壊2万6958棟を数えた。この震災の特徴は、高齢化率が47%の旧門前町を中心に被害が発生したことで、高齢被災者対策が特に課題となった。これは、阪神・淡路大震災と比べて、全・半壊家屋数に対する負傷率が、午前10時前の発生にもかかわらず2.8倍も大きかったことに現れている。輪島市内の約600の事業所からなる地場産業の伝統工芸・輪島塗も大きな被害を受けた。震災後の売上高は1991年のピーク時の40%弱に落ち込み、選択的な再建にならざるを得ない。