2004年12月26日現地時間午前8時頃に発生した地震(モーメント・マグニチュード9.3)と津波である。ユーラシアプレートとインド・オーストラリアプレートによるプレート間の逆断層地震であり、震源域は南北約1300キロメートルにも達した。死者、行方不明者は22万6000人に達したと推定され、歴史上の津波としては世界最大の被害で、被害総額は72億ドル以上になった。被害が大きくなった最大の理由は、津波早期警報システムがなかったことである。目撃者によれば、波源の西に位置するインド南部、スリランカには津波第1波は押し波で、東のインドネシア、タイには引き波で来襲したことがわかった。さらに、多くの写真やビデオから次のような津波特性が理解された。(1)津波が来襲するときは、自動車や壊れた家の残骸を浮かべながらやってくる。そのため、犠牲者は負傷が原因で溺れ死ぬ場合が多い。(2)津波は数波来襲し、第1波が必ずしも大きいとは限らない。(3)津波は海底地形の影響を受け、沿岸方向に高さが一様でない。(4)鉄筋コンクリート造以外の建物は高さ数メートル以上の津波で全壊する。(5)鉄筋コンクリート造の建物は高さ10メートルの津波でも破壊しなくて安全である。