都市で発生する河川の洪水(外水)や市街地に降った雨水(内水)によるはん濫災害。地下空間が浸水すると複合災害になる。近年、地球の温暖化による極端現象が発生しており、2005年には東京都杉並区で、06年には大阪府豊中市で1時間雨量が100ミリを超えた。都市型水害では、地下街や地下鉄、地下室が浸水あるいは水没するという重大な災害が発生している。1999年にはJR博多駅前の地下街とその周辺のビルの地下室が浸水し、同じ給電ネットワーク上の福岡空港まで停電した。集中豪雨による地下鉄の浸水・水没事例は、2000年の東海豪雨災害の名古屋市、02年の東京都、03年の福岡市でも発生している。対策として、外水と内水の同時制御(03年施行の特定都市河川浸水被害対策法)や地下河川の整備がある。特定都市河川として、東京・神田川、神奈川・鶴見川、愛知・新川、大阪・寝屋川がある。東京の神田川・環状七号線地下調整池は神田川と善福寺川の洪水約54万立方メートルの貯留能力を持っており、これで1時間に50ミリ程度の雨量に対する安全性が確保された。