2010年1月12日午後4時53分(現地時間)にハイチで発生したモーメントマグニチュード7.0の地震(モーメントマグニチュードは国際的に使用されるマグニチュードの指標)。首都ポルトープランスの西南西25キロを震央とし、震源の深さ13キロの直下型地震で、地震のメカニズムは、逆断層成分をもつ左横ずれであり、津波が発生した。首都とその周辺で、震度6弱以上の揺れがあったと推定されている。被害は、死者22万2570人、行方不明者869人、負傷者31万928人、被害総額は77億5000万ドル余りと発表されている。ただし、ベルリーブ首相は、地震1周年の記者会見で、死者が31万6000人以上に達したと発表した。震災直後に集団埋葬されており、正確な数字の把握は困難となっている。ライフラインはとくに水道と電力供給網が壊滅的被害であり、全面復旧は住宅再建の困難さと相まって、長期間を要する。被災後、雨期に洪水はん濫が起こり、コレラが蔓延し、感染者15万人、死者3600人以上に達しており、震災前の結核とともに感染症対策が急務である。